風は戦い、恋をする
【昔話とはじまりと…】
これは少し昔の話。
ここは天上界
風神族の里ーーーーー
「出来ないっっっーーーーー」
そう叫ぶ幼い女神
緑の目に緑の髪、名はそのままだが翠(みどり)。
翠は3人兄妹の末の神として生を受けた。
父は風神族の志那(シナ:族長)を勤め、風神族一の力の持ち主
翠にとって、父は偉大であった。
「父上は強くて、カッコいい…!!!!!」
最初はそんな単純な想いからだったが、
幼いながらに私も父のようになりたくて、
女ながらに、兄達についていき修行を始めたのであった。
しかし、
いくら修行しても兄達には勝てず、失敗ばかり。
ーーガシャンッッ
ーーーー『父上~!!また翠が風を上手く操れなくて、花瓶を壊しました!!』
女の神んだからと兄達からはもう修行はやめた方が良いと言われ、
ーー
ーーーーーーーーー『踊りは良いじゃないか?そっちを極めなよ…』
反対に、皆から褒められるのは女の神たしなみである「舞」や「歌」のみであった。
この時、翠は800歳。
人間では8歳くらいに見える容姿だが…
800歳と言えば、
だいたいの風神が風をコントロールできるようになるものでした。