風は戦い、恋をする
里に近づくにつれて、翠は異変を感じた。
ーーーー焦げ臭い匂い。
里までもう少しというところ…
身体が
急に重くなる。
そして、視界は黒い霧に覆われる
「これは障気かっ くっ」
オモイ…
…カナシイ
キモチワルイ…
…ウゴキタクナイ
コワイ…
障気に当てられ、
自分の中の色んな感覚が入り交じる
初めてのこの感覚に今すぐに倒れたくなるが、
この先には里の皆がいる!と言うことで頭がいっぱいで先へ急いだ。
「里はどうなってるのっ」
みんな っどこっ?
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障気の中を走り抜けると
風族の里で一番大きい私の家の屋根が見えた。
私の家は屋根に付いた大きな風車の飾りが目印だ!
「 …なにこれっ」
家は潰れ、残っていたのは屋根だけだった。
あたりを見回すと、家は半壊、全壊のものがほとんどで
見慣れていたあの景色は跡形もなく消え去っていた。