イジワル御曹司の執着愛~愛されすぎて逃げられません!~
そのあと、ふたりで目についたレストランに入って、食事を済ませる。
「次はなに乗ろうか~。ちょっとおとなしい奴にする?」
腹ごなしで園内を歩いた後、ベンチに座ったふたりは、膝の上にマップを広げてあーでもないこうでもないと話していたが、どうも直倫の反応が鈍い。
どこか心ここにあらずといった雰囲気だ。
「直倫、疲れたの?」
キツい乗り物ばかり付き合ってもらったし、しかもここまで運転までしてもらっていたのだから疲れるのも当然かもしれない。
気になって、遠子は隣の直倫の顔を覗き込んだのだが、
「あ、いや、別に……」
サッと視線を逸らされてしまった。
(うーん……やっぱり、仕事忙しいから、無理して付き合ってくれてるのかな……)
今日は絶好の行楽日和で、天気もいい。
そして猛暑というわけではないが、じりじりと日差しが肌を焦がして、少し暑い。
「直倫、ここで待ってて。なにか買ってくるから」
冷たいアイスクリームでも食べればすっきり気分が持ち直すかもしれない。
直倫はわりと甘党なのだ。
「だったら俺が――」
「いいっていいって座ってて。すぐ戻るから」
遠子はベンチから立ち上がり、そのままスナック販売のショップに向かって走り出していた。