イジワル御曹司の執着愛~愛されすぎて逃げられません!~
今日は実に充実した一日だった。
ドライブがてら遊園地に行き、普通の恋人同士のようにはしゃいで、一日を過ごした。
(そして観覧車でキスもした……)
遠子はベッドにもぐりこみ、幸せな気分のまま目を閉じる。
あのことを思い出すと、胸がきゅんと締め付けられる。
すごく幸せで、フワフワして、地に足がつかないというのはまさにこういうことだろうと、遠子は思う。
(やっぱり電話のことは、気にしないようにしよう……きっとなにかの勘違いだろうし)
それからしばらくして直倫がベッドルームに入ってきて、遠子を後ろからいつものように抱きしめる。
その優しい腕に遠子は目を閉じたまま、口を開いた。
「ねぇ、直倫。今日、楽しかったね」
「ああ……」
「またデートしようね」
そうしたらまた少しずつ、直倫を好きになるだろう。
きっと彼をいまより理解できるようになるし、なりたいと思う。
「今度はあまり絶叫しないやつで頼む」
「本当は苦手だった?」
「お前の元気についていけないだけだ」
直倫がクスッと笑う。