イジワル御曹司の執着愛~愛されすぎて逃げられません!~
直倫の唇が、直に遠子の素肌の上にふれる。
指が遠子の体を撫でて、手のひらが遠子の足を広げて、舌が中に分け入ってくる。
何もかもが初めてで、けれどそれ以上に声を出すのも恥ずかしく、必死に我慢していたけれど、気が付けば直倫に包み込まれるように抱かれて、遠子に残っていた理性もどこかに吹き飛んでしまった。
直倫の首から汗がしたたり、落ちる。
同じシャンプーとボディーソープを使っているはずなのに、直倫からは違う、もっと甘くてセクシーな匂いがした。
(思い知れなんて言っておいて、優しいんだ……)
終始、直倫は遠子を気遣ってくれたように思う。
むしろもっと自分の好きなようにしてくれていいのにと思うくらい、まるでガラス細工にふれるような繊細さで、遠子に触れ、体中に口づけ、中に入ってきた。
直倫は遠子の髪を両手でかきわけながら、そのまま上半身を重ねるようにして体全体を押し付ける。
「トーコ……」
痛みに思わず目を閉じると、かすれた声で急かすように名前を呼ばれる。
仕方なく目を開けたら、じっと瞳を覗き込まれて、直倫は満足げに笑っていた。
「思い知ったか……?」
「――うん」
ゆっくり、
遠子は素直にうなずく。
「思い知った……すごく……」