イジワル御曹司の執着愛~愛されすぎて逃げられません!~
「トーコ……」
かすれた声で名前を呼ばれて、頬を撫でられ、髪をすかれる。
ゆっくりと、時間をかけて遠子を侵略していく直倫に、遠子はずっとじらされてばかりだ。
「俺を見ろよ……目を逸らすな……お前を抱いてるのは俺だって、思い知れよ」
(わかってるよ……わかってる……ナオ……)
これは直倫の独占欲なのだろうか。
遠子は過去に誰のものにもなったことがないのに、直倫はそれでも遠子のすべてを欲しがる。
だから遠子はうん、とうなずいて、彼の目を見つめる。
「思い……しらせて……もっと……」
汗でしっとりと濡れた直倫の体に腕をまきつけ、自分から口づけると、直倫が微かに体を震わせる。
体は実に正直で。
思いと比例して、重く、強く、募るばかりで。
(このままずっと……直倫と一緒にいられたら……)
遠子はゆっくりと意識を手放して、愛の海に溺れてゆく。