イジワル御曹司の執着愛~愛されすぎて逃げられません!~
「でも、明日も普通に仕事でしょ……?」
「それは、そうだけど……じゃあ、明日の朝も熱が下がらなかったら、俺が実家に送る。もう遅いし、無理に動くと余計悪くなる」
そして直倫は、ヨシヨシと遠子を撫でてからベッドに腰を下ろした。
だが遠子にはわかっていた。
(本当は、いつもの知恵熱だ……。私、小さいときからこうなんだから……)
考えすぎると体がオーバーヒートを起こす。
情けなくて消えてなくなりたくなる。
(直倫にブスって言われたときも、熱出したし……って、今このことを考えるのはよそう……)
ちょうど明日から三日間はアルバイトも休みだった。
始めたばかりで迷惑をかけることにならなくてよかった。
「あのさ……」
直倫が落ち込んで口をつぐんだままの、遠子の顔を覗き込んでくる。
「うん……?」