イジワル御曹司の執着愛~愛されすぎて逃げられません!~

「でも、明日も普通に仕事でしょ……?」
「それは、そうだけど……じゃあ、明日の朝も熱が下がらなかったら、俺が実家に送る。もう遅いし、無理に動くと余計悪くなる」


そして直倫は、ヨシヨシと遠子を撫でてからベッドに腰を下ろした。

だが遠子にはわかっていた。


(本当は、いつもの知恵熱だ……。私、小さいときからこうなんだから……)


考えすぎると体がオーバーヒートを起こす。
情けなくて消えてなくなりたくなる。


(直倫にブスって言われたときも、熱出したし……って、今このことを考えるのはよそう……)


ちょうど明日から三日間はアルバイトも休みだった。
始めたばかりで迷惑をかけることにならなくてよかった。


「あのさ……」


直倫が落ち込んで口をつぐんだままの、遠子の顔を覗き込んでくる。


「うん……?」


< 161 / 197 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop