イジワル御曹司の執着愛~愛されすぎて逃げられません!~
たとえ他人から見て不似合いだとしても――
好きだから、一緒にいたいという自分の気持ちを否定されていいわけじゃない。
そして不似合いだと思われて落ち込むよりも、少しでも直倫に相応しい人間でいられるよう、中身を磨くための努力をしたい。
「お前……今そういうこと言う?」
「えっ? あ、なんかごめん……確かに忙しい朝に言うことじゃなかったかもね」
遠子はへへッと照れたように笑ったのだが――
その次の瞬間、力いっぱい、直倫に抱きしめられていた。
「あーもう、お前ってたまにほんと……ナチュラルに俺を翻弄するよな」
「ほ……翻弄??」
驚かされたりドキドキさせられてるのは基本的に自分のはずなのだが――。
自分の言葉で直倫が嬉しくなったり、ドキドキしてくれるというのなら、やはり嬉しい。
遠子はにやける顔を隠そうともせず、広い直倫の背中に腕を回していた。
「本当は帰ってきてから渡そうと思ってたけど……」
しばらくして、直倫は腕をほどき、クローゼットから小さな紙袋を出してきた。
「なに?」
首をかしげると、直倫はその紙袋から細長いケースを取り出し、遠子の前で開けてみせる。
「わぁ……」
それは細いチェーンのネックレスで、ピンク色の小さな石とグリーンの石、そしてキラキラしたスワロフスキーがちりばめられた、ペンダントだった。