イジワル御曹司の執着愛~愛されすぎて逃げられません!~
「お前に渡せなかったプレゼント、毎年増えていく一方で……でもこのままじゃまずいって思って、遠子が大学を出るときに、イタリアから時間作って帰って……好きだって言おうと思ったら、お前泥酔して帰ってくるし……」
(ああー…)
確かにあの状況では、告白どころではなかったに違いない。
「でも、さすがに社会人になったら、お前も彼氏とか作るかもしれないって思って、なにかしら約束を取り付けようとしたんだ」
(約束?)
「将来、俺と結婚しようぜって言ったら、遠子爆笑しながらブランコに乗って落ちた」
(えっ……ええっ……えええっ!?)
「怪我して慌てる俺を見て、お前、ひーひー笑いながら冗談でしょって……冗談じゃねえよって言ったけど、嫌だとは言われなかった。だから俺的には、お前に一応了承もらったことになってたんだけどな」
(そうだったのか……って、全然覚えてないけど……ずっと前から決まってたみたいなこと言ってたけど、そういうことか……)
「それに、兄貴よりも絶対、俺のほうがお前を好きだろ」
(だからなんでそこで毎回シロちゃんが出てくるのよ……負けず嫌いすぎでしょ……私、ナオ以外にこんな気持になった男の人なんていないのに……)
遠子はフフッと笑って――目を開けて。
そして誰よりも愛おしいと思う、その人の目を見つめる。
「ナオ……」
「昔、遠子を傷つけた。あんな失敗、二度としたくないから」
直倫がかすかに潤んだ瞳で、遠子を見つめていた。
「遠子。幸せにする。俺と結婚してください」
そして彼は、うやうやしく、椅子から降りて、ひざまずいたのだった。