イジワル御曹司の執着愛~愛されすぎて逃げられません!~
そしてつるつるの頬を撫でる。
「ん……」
くすぐったいのか、遠子は身じろぎしてそのまま寝返りを打ち、反対側を向いてしまった。
当然直倫は後ろから体を寄せて、ウエストに手を回しぴったりと体を重ねる。
「トーコ……」
耳元でささやく。
「トーコ」
何度か名前を呼ぶと、「んん……?」と、遠子が声を上げた。
「なんじ……?」
目は閉じられたままだが、意識はぼんやりと浮かび上がったようだ。
「――五時」
「まだ、はやいよ……」
「俺は目が覚めた」
「なんてわがままな……」
遠子はふふっと笑って、それからウエストに回された直倫の手の甲を、ぽんぽんと叩く。