イジワル御曹司の執着愛~愛されすぎて逃げられません!~
「なに合コンって! そんな不埒な! 危ないでしょう!」
和美はイケオジの見た目と反して案外ピュアだった。
「危なくないよ。シロちゃんに頼んだもん。シロちゃんのお友達なんだから」
「白臣くんにそんなこと頼みに行ってたの!?」
「そうだよ」
「ええーっ!?」
二度目の『ええーっ!?』だ。
「だからね、私の世界を変えるきっかけは直倫じゃなくてもいいと思うの。だからとりあえず男友達を作ることからトライ」
グッと親指を持ち上げると、
「トライじゃないよ……遠子。なんでそうなるかなぁ……」
和美はヨヨヨとキッチンのカウンターにもたれかかった。
「いきなり行動的になっちゃって。遠子は一度言い出したら聞かないのわかってるけど……」
「なんかごめん」
両親まで白臣と同じ反応だとは思わなかったが、確かにいきなりすぎるかもしれない。
「私、もしかしてやけくそになってるのかな? ねぇ、パパ。そう見える?」
ちょっと心配になってきた。
「いや、むしろようやく元気を取り戻しつつあるんだなって、ホッとしてるよ」
和美はビニール手袋を外しながら、遠子のもとに歩み寄る。