イジワル御曹司の執着愛~愛されすぎて逃げられません!~

「言ったでしょう。失敗したっていいんだって。自分の選択が、そのまま自分に返ってくるんだ。どう行動するか遠子が決められるのなら、それでいい」
「……うん。そうだね。ありがとう」


進学にしても、仕事にしても、自分で決めてきた。
もちろん失敗もしたけれど、そのことに後悔は全くない。

今回の合コンだって、そんな簡単に事態が好転するとは思えないが――
部屋に引きこもって泣いているよりずっとマシだと思えば、それだけでいいかと思える。


「というわけで、出がけに言っていた髪、近いうちにしてくれる?」
「はいはい、わかりました。明日会社に行くから、その時についてきなさい。きれいにしてあげるから」


和美の言葉に、遠子はホッとしてうなずいた。


「うん。じゃあ疲れたからお風呂入ってくるね」


そして二階にあがり、バスルームへと向かった。

市松模様の床に猫足のバスタブが置いてあり、金属部分は金色に塗られている。ここにも和美の少女趣味が生きている。お湯をためて、お気に入りのラベンダーの入浴剤を入れ、シャワーで体を流した後、ゆっくりとバスタブに浸かった。


(合コンかぁ……まぁ、私以外の女子たちは慣れてるし、私はお友達をひとりでも作れるように頑張ろう)


遠子はふうっと息を吐き目を閉じた。


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