イジワル御曹司の執着愛~愛されすぎて逃げられません!~

男性側の参加者にカノーロの社員はいない。全員、学生時代の友人だという。
時間と場所は追って連絡をくれるらしい。
なにからなにまで至れり尽くせりで申し訳ない。


「なら直倫に知られることもないわよね……っていうか言ってないよね?」
《もちろん。だから安心して》


呆れて婚約破棄だと言ってくれればいいが、予想通りの展開にはならないのが直倫という男だ。
知られないに越したことはない。


「シロちゃん、忙しいのに調整してくれてありがとう」
《兄として当然のことをしたまでだよ》


兄としてというのは、遠子の疑似兄という意味と、直倫の兄であることの、両方を含んでいるのだろうか。


(罪滅ぼしってことかな?)


「本当にありがとうね。で……私はそろそろ寝るね」
《もう?》


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