イジワル御曹司の執着愛~愛されすぎて逃げられません!~

「それって要するに難攻不落というやつでは?」

アンナの言葉に、
「確かに……」
「鉄壁の守りだ!」
と、八人テーブルが笑いに包まれる。

それからなごやかに合コンという名目のお食事会が始まったのだった。



話題は学生時代の話から、それぞれの仕事の話、趣味の話へと多岐にわたった。

男女という性差の壁をあまり感じない、古い友人同士のような気安い雰囲気だった。
実際、それぞれに十年以上の付き合いがあるのだから、同窓会のような空気になるのは当然かもしれない。

そして、友人たちがみな、いい雰囲気のように思えてしまう。


(もしかして私以外、普通にカップルができてしまうのでは……? まぁ、それはそれで嬉しいけど)


楽しそうな友達の顔を見るのは純粋に嬉しいし、こっちも楽しくなってくる。

遠子はウフフと笑いながら、ワイングラスを傾け中身を飲み干した。

白臣の友人が商社勤めでかなりのワイン通らしく、ワインリストから遠子の好みにあうワインを勧めてくれた。
白臣の隣に座っている、最初に口を開いた、いたずらっ子のような雰囲気の男性である。


(たしか……喜多島太陽(きたじまたいよう)さん。シロちゃんたちの大学の創設者の子孫……)


「喜多島さん、これ美味しいです。こういうずっしりしたの、好きです」


< 59 / 197 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop