イジワル御曹司の執着愛~愛されすぎて逃げられません!~
不人気と、妙にまじめな表情で言われて、遠子は思わず吹き出してしまった。
「楽しそうじゃないですか」
「だろー? でも女子会員少なくてさ。年々男ばっかり増えてる。ちなみに幹事は山邑リゾートの山邑始さんなんだけど」
「あ、山邑さんには一度お会いしたことあります」
山邑リゾートは今どんどんメディアで取り上げられているリゾート開発会社で、山邑始は副社長であり、御曹司でもある。
遠子は両親と参加したどこかのパーティーで、彼と会ったことがあった。
少し軽薄な感じがする美男子で――いや、軽薄なのはあくまでもキャラクターで、本人はかなり有能なビジネスマンと評判の男だ。
「ああ、じゃあ話は早いな。伝えておく」
「ぜひ」
まさか合コンに来て、酒飲みの会に誘われるとは思わなかったが、交友関係が広がるのは純粋に嬉しい。
「じゃあ入会ってことで。乾杯」
「乾杯」
グラスを持ち上げて、ニッコリと笑いあっていると、
「遠子、そのくらいにしておいたら?」
自分の席に戻ってきた白臣が、三本目のワインを開けた遠子にメッという顔をした。