イジワル御曹司の執着愛~愛されすぎて逃げられません!~
夕方、クリーニングから帰ってきたワンピースに着替えて、遠子は直倫と一緒に自宅に戻った。
「まだ荷解きしてないんですが、これが俺のマンションの住所です」
直倫は自分のスマホを遠子の両親に差し出し、それから隣でソファーの上で、固まっている遠子を見下ろした。
「とりあえず来週、荷物まとめておけよ。俺は先に行って準備してるから」
「あ、う、うん……」
ぎこちなくうなずいて、それから両親と直倫の顔を、盗み見た。
三人は和やか雰囲気で、直倫のスマホに映っているらしいマンションの写真を眺めている。
「あらっ、いいマンションじゃない」
「はい。子どもが小さいうちはここで充分かなと」
「そうだね。大きな公園もあるし、双方の実家から車で十分くらいだし、確かにいいね~。はーっ、遠子と直倫くんの子供ならぜったいにかわいいよ~! 僕もいよいよじぃじになるのか~いやーまいったなー!」
(こっ、子供ーっ!? じぃじって気が早すぎるでしょ、そもそも昨晩だって、そんなことしてないっつーの!)
デレデレする和美に半分あきれながらも、遠子は同時に、嫌だと言わない自分の気持ちにも驚いていた。