DEAR. -親愛なる君へ-
HEARTS◇2
「それにしても、ディアって変な奴だな」
フレイズが、僕の顔をのぞき込んで唐突にそう言い放った。
…変……?
僕からしたら、君たちの方がよっぽど変だと思うのだけれど。
「全然笑わないんだなー?」
「……」
フレイズのその質問に対して、僕はなんと答えてよいかわからなかった。
笑う…?
笑う、とは。
…感情表現行動のひとつ。ごく一般的には陽性の感情に伴って表情が特有の緊張をし、同時に特有の発声を伴う。
人間はこのような表現を意識的に使い分けることができ、これにより微細な感情を表現する。
時には否定的な笑い。
時には自嘲のように複雑な笑い。
時には自虐を表す笑い。
笑い…その表現は至って様々なものである。
「フレイズ、失礼なこと言っちゃだめよ…」
「そうですよ、ディアだって私たちと同じつらい思いをしているんですから」
フレイズの言葉に対して、リタ、エーヴィンがそれぞれ意見する。
「……だってさー」
しかし、当のフレイズは納得のいっていない様子だった。