DEAR. -親愛なる君へ-


嬉しいとは、確かに陽性の感情だ。

しかし、なぜリタが喜ぶんだろう?


「…僕が笑ったことが、そんなに嬉しいの?」

「うん」

「涙を流して笑うほど?」

「うん、嬉しいよ」


そう言って、またふわっと笑うリタ。

ああ、また笑った。


リタは、僕が笑うと嬉しいんだ。


僕は空を見上げた。



―――…博士。



博士も、僕に笑ってほしかったのかなあ…?



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