DEAR. -親愛なる君へ-
HEARTS◇3
「で、だ」
レギオンが、両手を組んで仁王立ちしている。
そんな彼を、僕らは好き好きに空間を使って座るなり横になるなりして見つめている。
僕らが今いる空間は、彼ら盗賊『レヴァ』の隠れ家である。
隠れ家と言っても、かき集められた藁や木の枝で囲われているだけで、かといってこれといって高さがあるわけでもないので簡単に覗き混まれるし…僕の知っている隠れ家と言うにはいろいろと物足りないが。
…こんな、天井のないところで彼らは生活していたのだな。
そう思ったとき、胸の辺りがちくりと痛んだ。
…やっぱり、故障なのかもしれない。
胸の辺りが、なんだか調子が悪いようだ。
でも、博士はもういないわけだし、直してくれる人なんてもういない。
壊れてあのガラクタと一緒にされて、僕は終わるのだろう。
「金目のものを盗みにディアの家に潜り込んだわけだが、売人に交渉したものの結局稼ぎはほぼゼロに近い!!」
「マジかよ~」
「あんなにたくさんガラクタかき集めたのに!?」
あのあと、みんなで博士の作ったガラクタをかき集めて、売人の元へ売りに行った。