DEAR. -親愛なる君へ-


…だけど。


「なんだお前たち?変わり者のガラクタなんか持ってきて。こんなものが金になるとでも思ったのかバカめ!! 出直してこい!!」


売人はそう言って僕らを門前払いしてしまった。

売人の言う変わり者…というのは、モノド博士の事なのだろう。

僕が持っているすべての知識を埋め込んでくれた博士のことを、変わり者と呼ぶのであれば…僕もきっと変わり者なんだろう。

そうなると、出会った時にフレイズから言われたこと…「変」というのも肯定できた質問だったのだな、と、今更ながらに納得した僕だった。


「大丈夫? ディア…」


リタが、どうしたことか、眉を下げて上目遣いで僕を見つめてくる。
この表情が、何を意味しているのかわからない僕は、その質問の意味すらもわからなくて。


「…なにが?」


「さっきの売人が言ってたの、ディアのご家族のことでしょう? 変わり者なんて、ひどい…」


「………」


僕は黙ってリタを見つめていた。

だって、わからなかった。


僕の家族のこと?
あの売人が言った『変わり者』とは、僕の家族の事だったの?



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