DEAR. -親愛なる君へ-
「確かに!! お前は変わってるもんな!!」
「こら、調子にのってはいけませんよフレイズ」
「いってーな。エーヴィン…」
エーヴィンが、フレイズの頭部を軽く叩く。
フレイズの言葉を聞いて、どこかほっとしている自分がいることに気づく。
僕は、『変わり者』なんだって思えたから?
自分が何者なのかもわからない僕は、たとえ『変わり者』であっても『何か』である確証がほしかった…んじゃないかって、思う。
「そういえば」
フレイズの頭を拳でごりごりとダメージを与えているエーヴィンが、思い出したようにレギオンを見た。
「何か、思い当たる節でもあるのか? エーヴィン」
「思い出したというか…言い伝えなので、単に噂話としてとらえてもらって構いません」
「なになに?」
「い、痛いエーヴィン…離せよ…!!」
ぱっと、フレイズを放し、皆の視線に答えるように向き合うエーヴィン。