DEAR. -親愛なる君へ-
「……ディア?」
隣で、心配そうな声で僕の名前を呼ぶリタ。
僕はもう、何も考えられなくて。
ああこれが、パニックっていう状態なんだろうなと思った。
博士。
モノド博士。
博士は、どうして僕にダイヤモンドを埋め込んだの?
僕は…ジュエルハーツだったの?
でも、博士は一度だってそんなこと言わなかった。
…ジュエルハーツは、神から与えられた指名をもってして生まれ、その指名を全うすると消えてしまう。
そういう情報がある。
だけど、僕は博士から作られたんだ。
神から与えられた使命なんて知らない。
僕は、モノド博士の手で作られて、モノド博士の元でいろんな事を教えてもらって、そしてそれらを脳内メモリーに保存していった。
『ディア』
頭の中で、モノド博士が笑っている。