DEAR. -親愛なる君へ-
「ディア、正直に教えてくれ」
真面目な顔をしているレギオン。
周りを見ると、グズンデュやエーヴィン、リタの全員が、僕をまっすぐに見つめている。
…まあ、当然の反応だろう。
金がなく、宝石の話になりジュエルハーツの宝石を狙おうという話をしていたときに、仲間にそのジュエルハーツがいるという事態に陥っているのだから。
…僕がジュエルハーツだという事を彼らに素直に伝えたら、彼らはどうするだろう?
迷わず僕の心臓を…宝石を取り出すだろうか。
………それとも。
僕は下を向き、目を閉じる。
そんなの、淡い期待に過ぎない。
神から与えられた使命だとか、そんな者はよくわからない。
ジュエルハーツ…という伝説の存在ではないのかもしれない。
単に、博士の発案で宝石を埋め込まれただけのガラクタなのかもしれない。
僕が何であろうと、胸に宝石を抱いているという真実は、変えられないんだ。
そこまで思って、僕はもう一度顔を上げた。
そして。