DEAR. -親愛なる君へ-
ひときわ大きく響いたフレイズの声が、しんと静まりかえった周りにこだまする。
「……そんな…」
カタカタと体を震わせ、目を見開くリタ、エーヴィン。
何も言葉が出ないとでも言った表情のグズンデュ。
そして、一番驚いた様子のレギオンは、落ち着こうとしたのか…一度大きく息を吐いた。
「…間違いないのか」
僕とフレイズの方へ近づいてくるレギオン。
「ちょ、待てよレギオン…!! まさかこいつの宝石取るっていうんじゃねえだろうな!?」
フレイズが、僕とレギオンの間に立ち、僕に背中を向けて大きく手を広げた。
「…フレイズ、どけ」
「嫌だ!! いくらレヴァのリーダーだからって…仲間を犠牲にして言い分けないだろ!!」
叫びに近いフレイズの言葉は、真がしっかりしているようで、どこか震えていて…か細くて、もろくて。
きゅうっと、胸の辺りが苦しくなったのを感じた。
…いや、それより。
僕は、この光景を前に見たことがある。