DEAR. -親愛なる君へ-
「フレイズ、どけ」
「レギオン!! だめだって、話くらい聞けよ!!」
興奮気味なフレイズを、レギオンが片手で制する。
そんなレギオンを、歯をぎりぎりと食いしばって見つめるフレイズ。
9歳の彼と、15歳のレギオンとの身長差は一目瞭然だった。
「……ディア」
そんなフレイズを横切り、僕の前に立つレギオン。
僕との身長差はほぼないに等しく、レギオンのまっすぐな瞳はもう目の前だった。
「お前はジュエルハーツなのか?」
「…さっきも言ったけど、わからない。 だけど、『ここ』にあるのは間違いなくダイヤモンドだ。 博士が埋め込んだのを僕は知ってる」
素直に放すと、レギオンの表情は少しゆがんだ。
「……どうしてすぐに言わなかった?」
「言わなければいけないことだったの?」
「当たり前だろう!!」
もはや、叫び声に近いレギオンの声。
悲痛。
そんな表現がぴったり合った。