DEAR. -親愛なる君へ-
「お前がジュエルハーツなのを俺たちに隠していたのは…俺たちがお前の宝石を奪うと思ってたからか?」
下を向いてしまったレギオンの表情は読み取れない。
それに、その質問の意図も、僕にはさっぱりわからなかった。
どうしてそんな震えた声で話すのかも、下を向いてしまっているのかも。
レギオンの言動すべての意味が、わからなかった。
「僕の心臓が宝石である事が、そんなに重要? どうしてレギオンはそんな事を聞くの? 僕は、はじめから話すべきだったの? だとしたら、どの辺りで話すのが正解だったの…?」
キッと、目尻をつり上げたレギオンが顔を上げて僕を睨む。
これは…怒ってる…表情…?
「重要か重要じゃないか…いつ話すか話さないかじゃねえ!!」
そして、僕の胸ぐらをつかみ、よりレギオンとの距離が近づく。
「お前が俺たちを、信用してるかしてないかを聞いてるんだ!!」
「……しん…よう…!?」
「ああそうだ!! 信じているか信じていないかだ馬鹿野郎!!」
「……っ」
信じる…とは。
真実である、また、正しいと思う事。
信用・信頼すること。
―――…僕は。
「…俺たちは、お前を信じてるよディア」
「……レギオン…?」
僕の胸ぐらをつかんでいたレギオンの手が、ふるふると力なく震えている。