DEAR. -親愛なる君へ-
機械として。
ガラクタとして生まれた僕は。
感情だけが欠落していた。
今、やっとわかったよ。
モノド博士が僕にしてくれていたことは、僕に感情を教えようとしてくれてたんですね。
『ディア、お前はもうすぐ、本物の人間になるんだよ』
モノド博士は、僕を人間にしようとしてくれてたんですね。
感情を教えることで…ガラクタや機械なんかじゃなく。
博士、僕は初めて、感情を知りました。
人に大切だと言ってもらえることは、こんなにも嬉しい気持ちになれるんですね。
…できたら、貴方に対してもそういう感情を持っていたかった…。
「…お前はまだ、人間じゃない」
レギオンが、がしっと力強く、僕の肩をつかむ。
「だけど、これから人間になる!! 俺たちと一緒に、成長しようぜ!!」
成長とは。
…人や動植物が育って大きくなること。大人になること。
これは、一般的な意味。
だけど僕に関しては。
―――…僕が人間へ近づくことを、『成長』と呼ぶのかもしれない。