DEAR. -親愛なる君へ-
HEARTS◇5
「よし、ディアのこともわかったことだし、これからどうするか決めようぜ」
グズンデュが話題を元に戻す。
「そうだな。…えーっと、ディアがコンピューターでサーチしてくれるんだっけ?」
続けて、僕に聞いてきた。
僕はうなずいて、その質問に返す。
僕の脳内コンピューターで、食べ物ないし金目のものを検索し、サーチすることは可能だ。
「ディア、すごいんだね」
リタが僕に近寄って微笑んだ。
そういう『笑み』は、よく知っている。
「……」
しかし、近辺を探ってはみたものの、僕たちが簡単に侵入できる場所、かつ十分な利益となるもの…この条件が合致している場所はすでになくなっていた。
そのことを、レヴァのリーダーであるレギオンに伝える僕。
僕のサーチの結果を聞いたレギオンは、意外にもすんなりと納得した表情を浮かべる。
そして何度か頷いたあとについと遠くへ目をやった。
「本格的にまずくなってきたな。思った通り、貧困に困っているのは俺たちだけじゃなくて他のどの地域でも同じようだ」
レヴァのみんなはそれを聞いて下を向いてうなだれたり、呆然と立ち尽くしたりとそれぞれで負の感情をあらわにしていた。
「……」
そんなみんなに、僕はなんと声をかけたらいいんだろう。
不思議なことに。
僕は無意識のうちにそういった考えを抱いていたのだった。