DEAR. -親愛なる君へ-

最初は、リタの言っている意味がよくわからなかった。

だけど、『ジュエルハーツ』という言葉で納得した。

身なりからして彼らもおそらく金目のもの目当てで僕らに近づいている。

そして、僕の中にダイヤモンドが眠っているとわかれば、容赦なく僕の宝石心臓をえぐり取って行くだろう。

そうなると、困る。


―――いや、何が困るのか、まだわからないけれど。


さっきまで、レヴァのみんなに僕のダイヤモンドを捧げることを思っていたからか。

この男たちには、渡したくない。


無意識だった。

僕は、また、胸に手を当てていた。


そしてその行為を、男たちは見逃さなかった。


「お前か? 変わり者博士の子供っていうのは?」

「違うだろ、変わり者博士のガラクタだろう?」


好き好きに僕の存在を形容しながら、のたくたと近づいてくる三人の大男たち。


「おいガラクタ、正直に答えろ。お前、あれか? 『宝石心臓』っていう奴か?」


目の前まで来た男は、ちょうど日差しを背にしており、僕よりもずっと背が高くて。
逆光で陰になっているので、顔はよく見えなかった。

かろうじて、にいと歯を見せていることだけはわかった。

だが、その笑みは、今まで僕が見てきたどの笑みよりも暗く、ねっとりと粘りけのあるような……うまく表現できないけれど…


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