DEAR. -親愛なる君へ-
そうだ。
―――いやな、『笑み』だ。
僕は、思わず少し後ずさった。
そしてふるふると首を横に振り、ジュエルハーツであるか、という男からの問いに対して、否定した。
「本当かあ?」
「それにしては、気味の悪いガキだなあ」
僕の事をさらにあやしんだ男たち。
……僕の行動、態度、雰囲気は…それほどまでに人間のそれとはかけ離れているのだろうか。
初対面の人にすぐ『変だ』と言われてしまう所以は、やはり僕が男たちのいう存在であるに相違ないからだ。
「てめえら……言わせておけば……!!」
それまでエーヴィンによって行動を制されていたフレイズが、僕の目の前に立っていた奴らのうちの一人に飛びかかった。
「かかれ!!」
それが、レヴァの沈黙を打ち破り、リーダーのレギオンのかけ声によって一斉に飛びかかった。
「!?」
「なんだお前ら離せ!!」
意表を突かれた男たちは、その場に尻餅をつく。
「……っ」
レギオンのかけ声に唯一反応できなかった僕は、その光景を立って見つめている自分に気づく。