DEAR. -親愛なる君へ-
けど、相変わらず涙を流したまま、僕の手に触れたしわしわの手は、どうしてかとても……あたたかかったのを覚えている。
レヴァのみんなは、『僕の宝石心臓』ではなく『僕』が大事なのだと言った。
……じゃあ、博士は?
博士も、きっと。
もしかしたら。
ぽうっと、胸の辺りが熱くなった。
とくんとくんと、音が鳴る。
―――『ディア』
冷たかった手はいつの間にか温かくなっていた。
―――『お前はもうすぐ、本当の人間になれるんだぞ』
動かなくなっていた体は、いつの間にか驚くほどに軽くなっていた。
気づけば僕は。
形勢逆転されていた乱闘の場に滑り込み、リタに向かって刃が振りかざされた大男の前に立っていた。
「ディア!! だめええっ!!」