DEAR. -親愛なる君へ-
かすむ視界。
苦しくて次第に大きくなる呼吸。
ズキズキと痛む体。
―――『人の死というものは、とてもはかないものである』
博士がいなくなってから、一番最初に保存された言葉。
それを思い出すには十分な状態だった。
否。
僕自身が、『死』を意識してしまっていたのだった。
「待ってろ!! 今傷口を……!!」
レギオンが布を取り出して必死にそう言った時。
「……ぁ…」
振り絞って出た声だった。