DEAR. -親愛なる君へ-
「お前、一人なのか?」
「……」
一人とは。…数が1つであること。
一人なのか?と言う質問に対する答え、それは。
「…はい」
僕はそう肯定した。
すると、レギオンは少し表情をゆがませながら、さらに僕に近づき手を伸ばしてきた。
「いきなり家に穴開けて悪かったな。俺たちの仲間にならないか?」
「……」
仲間とは。…一緒に物事をする間柄。
「なにをするの?」
僕はレギオンの手を取らずにそう聞いた。
そもそも、この差し出された手を前にどう対応していいかわからない。
だって博士に教えてもらっていないから。
「何を…っていうか、うーん…なんて説明したらいいのかわかんねーけど、とりあえず来いよ?」
「!?」
レギオンはくしゃっと笑って、僕の手を取った。
レギオンの手は…博士の手と同じくらいに、あったかかった。