DEAR. -親愛なる君へ-
僕が目を開けたとき、リタがそこにいてくれて、よかったと思えた。
皆が涙を流している理由は、もうわかるようになっていた。
……悲しんでいてくれているんでしょう?
苦しくて、痛くて、どうしようもなく力が入らないはずなのに。
そんな皆の行為が、嬉しくて。
つう、と……僕の瞳からも同じように、涙が流れたんだ。
博士…。
モノド博士……。
「リタ……『無事でいて……よかった……』」
博士は、こんな気持ちだったんですね。
相手を、大切だと思う気持ちを、今更ながらに知りました。
気づけば僕は、あのときの博士と同じ言葉を発していた。
「ディア……っ」
大粒の涙を流すリタ。
泣かないで。
どうか泣かないで。