DEAR. -親愛なる君へ-

神である博士から作られた僕は、博士の願いだった感情を持つことを使命に生まれた。

そして僕は、みんなと接していく中で感情を知った。

涙を流すこと、笑うことを知った。

怒る事を知った。

大切な人を、守ることを知った。


そして僕は、大切な人の為に……親愛なる仲間を守るために身を投げ出した。


僕……人間に近づけたかな……?



光の中で一瞬だけれど、垣間見えたみんなの姿。

無事でいてくれてよかった。


……どうか。


どうか次に生まれ変わって来るときは。



感情を持ち、最初から人を大切に思える存在でありますように。


Dear……親愛なる君へ。


「―――……ありがとう」


僕が最期に発した言葉は。


博士から教えてもらったことのない、言葉だった。



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