DEAR. -親愛なる君へ-
レギオンに連れられて、僕は研究室の外に出た。
初めてだった。
博士以外の人と、こうやって外に出たのは。
そもそも、博士以外の人と話すのが初めてだった。
「みんな、出てこいよ!どうやらこいつも同じ境遇みたいだ!!」
レギオンは、近くの草原に声をかける。
恐る恐ると言った様子で、三人の少年少女が姿を現した。
いつの間にか、レギオンの隣には先ほどの機械を持っていた女…エーヴィンが立っていた。
「今日からこいつは、俺たちの仲間だ!!」
そう言い放ったレギオンは、僕の肩に腕をまわして体を密着させてくる。
そんな行動に驚いた僕は、どうしたらいいのかわからなくてただただ目を見開いていた。
「仲間~? そいつも独り身なのかよ~?」
草むらから姿を現した三人のうち、一番身長の低い少年がいぶかしげに俺を見た。
「つべこべ言わずに自己紹介しろ、お前ら。…改めてよろしく。俺はレギオン。一応リーダーをやってるんだ」
くったくのない笑顔で僕にそういったレギオン。
リーダーとは…指導者、統率者。
この人たちを…率いている人ってことか…?
「先ほどは失礼しました。私はエーヴィンといいます。よろしくお願いします」
そしてレギオンに次いで、黒髪の少女エーヴィンが声をかけてきた。