DEAR. -親愛なる君へ-
「私はリタ。よろしくお願いします」
肩にかかるかかからないか位の茶髪をなびかせ、穏やかな笑顔を向けてきた少女は、リタと名乗った。
「俺はグズンデュ!! 仲良くしようぜ兄ちゃん!!」
レギオンとなんら遜色ない笑顔を向けてきたグズンデュ。
心なしか、その笑顔はレギオンと似ている。
「仕方ねーな。俺はフレイズだ」
そして、一番背の小さい少年は納得のいかない表情のままフレイズと名乗った。
自己紹介を終えた四人を満足そうに見つめていたレギオンは、その視線を僕に戻した。
「お前は、なんていう名前だ?」
「……名前…」
名前とは。
ある人や物事は他の人や物事と区別して表すためにつけた呼び名…。
僕は、博士に…
「ディア…と、呼ばれていた」
レギオンは僕の手を取る。
「そうか、お前ディアっていうんだな!よろしくな、ディア!!」
嬉しそうなレギオン。
どうしてそんな笑顔を向けるのだろう。
あの人も、博士もそうだった。
いつも、笑顔だった。