DEAR. -親愛なる君へ-
ひとまず研究室に身を置いた一行。
「俺たちは盗賊をやってるんだ」
鼻高々にそういったのはレギオンだ。
「盗賊…」
盗賊…メモリーにない。
すると、エーヴィンが先ほど持っていた機械をカチャカチャと音を鳴らしながら、指に引っかけてくるくるとまわしながら説明をはじめた。
「この国…ジュエレイドは、今や以前のように平和な国ではありません。身分の差が出始め、ここにいるみんなは、全員がさまざまな理由で家族を失っています」
エーヴィンの言葉に、グズンデュが口を開く。
「行く当てのない俺たちは、仲間になって金目のものを盗んでは売って、なんとか生きてきた。ちなみに俺は10歳。レギオン兄さんの弟だ」
なるほど、どうりで笑顔がそっくりなわけだ。
「あなたも同じ境遇なら、わたしたちと一緒にいましょう? その方が安心しますし、私はなにより、皆が家族になってくれているので嬉しいです。」
控えめな様子でリタが話す。
優しい笑顔。
その意味は…わからない。
「ディアー、俺は9歳で一番下っ端だけど、レヴァに入ったのは俺の方が先なんだからお前は後輩だからな!! 俺の言うことは何でも聞けよ?」
背の小さなフレイズは、僕に指を指しながらそう言い放った。
いや、そんなことより。
「…レヴァ?」
知らない単語だ。
僕の脳内メモリーに保存されていない。