夢の言葉と陽だまりの天使(下)【夢の言葉続編③】
アカリ、ヒナタ…ごめん。
俺は、また嘘付く事になっちゃったな。
”真っ直ぐ、最短”に帰れなかった。
……でも。
必ず帰るから、もう少し待っててほしい。
俺が新たな気持ちで歩み出そうとした時…。
「……。
明日、我が社に来なさい。」
俺が差し出した手を取りながら、ロイス様が言った。
「!……。え……?」
「勿論、まだ契約すると決めた訳じゃない。
…ただ、君の話を聞きたくなった。」
優しいロイス様の言葉と笑顔に、”マオ”だという事を忘れかけて俺は呆然としてしまい…。
その言葉の意味を、理解するのに少し時間がかかった。
そして…。
「っ…ありがとうございますッ!!」
ハッと我に帰ると、飛び上がりたいくらいの感情を抑えて、俺は何度もお礼の言葉を言いながら頭を下げていた。
外はいつの間にか晴れていて、陽が射して…。
空には、輝く虹が架かっていた。