夢の言葉と陽だまりの天使(下)【夢の言葉続編③】
それは今年の17歳の誕生日に届いた、最後のプレゼント。
”しっかり、生きなさい”という力強いメッセージと共に贈られた、生前リディア母さんが大切に持っていたという鍵。
「私は、私の思うがままに生きる。
…お母さん、見ててね!」
私は微笑んでお墓の前から立ち上がると、勢い良く駆け出して、墓地を抜けると自宅である診療所を目指した。
……。
「!っ…ユイ?
いつも建物内を走るなと言っているだろうっ?」
息を切らしながら部屋に駆け込むと、椅子に座って患者さんのカルテを見ていた先生が私の方を向いてやんわりと叱る。
私の父親代わりであり、ここで医師としての知識を教えてくれた、とても優しい人。
尊敬しているし、育ててくれたこの人の跡を継いで…。この診療所を一緒に守っていこうと思ってた。
……けど。