夢の言葉と陽だまりの天使(下)【夢の言葉続編③】
「……先生、お願いがあります。」
出逢ってしまった。
見付けてしまった。
自分の全てを懸けて、追いかけたい人。
「私がここを…。
この島を出て行く事を許して下さいっ…!」
夢の様な存在だったあの人が居た。
幼い頃から憧れ続けた、私にとっては神様みたいに遠い存在だった人が…。
私が手を伸ばせば触れられる場所にいる。
もう、見失いたくない。
「港街に、行きたいっ…。
私は、夢の配達人の近くで生きたいですっ…!
お願いしますっ…!!」
黙って私の話を聞いてくれている先生に、私は深く頭を下げた。
この人生の選択が、自分にとって正しいのかは分からなかった。
ただ、真っ直ぐ…。
私の気持ちは一途に向かっていて、迷いはなかった。
……
………。