夢の言葉と陽だまりの天使(下)【夢の言葉続編③】

アラン様は女性関係に軽いと聞いた。
交渉にも、取り引きにも女性を使ったりする事が多々あり、色々と厄介そうだが…。
ヴァロンが今回の任務でいつも以上にモテているのは、その環境だけが問題ではないだろう。

1人の女性を大切に想う一途な心。
アカリさんを愛すその美しい気持ちが、彼から溢れているからだ。
”恋をすると美しくなる”というのは、どうやら女性だけに使われる言葉ではないんだと実感する。


任務中のヴァロンは役者そのもので、これまで完全に演技をしながら仕事に望んできた。
つまりは、偽りの彼。
彼であって彼ではなかったのだが…。
今回の任務では、どうやら”素”のヴァロンが抑え切れていない。

無理なく自然体で仕事に臨めているのならばいいのだが、それ故に仕事だと割り切れない事が出て来た時にやっかいではないか…?
と、私は密かに心配していた。
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