夢の言葉と陽だまりの天使(下)【夢の言葉続編③】
アラン様の元へ行った一年以上という月日の中で、彼は一体どれ程の存在になっているのだろう?
たくさんの契約や取り引きを成功させ、間違いなくアラン様の会社に大幅な利益をもたらした人物だ。
そんなヴァロンを周りが…。
いや、何よりアラン様が簡単に手放すのだろうか…。
ヴァロンが天才ですごいのは分かっていたが、今回の任務は正直不向きではないか…と。
何だかんだでやってのけるとは思っていたが、もう少し時間がかかると予想していた。
アカリさんや子供の元に帰りたい、という強い思いからなのか…。
実は彼が会社という組織の中で生きていく事に適した能力を持っていたのかは、分からない。
けど、何はともあれ少しでも早い帰還になる事は望ましい。
アラン様という依頼人は、今回のようにどうしても引き受けなくてはならない任務でなかったら、間違いなく私はヴァロンにも他の配達人にも勧めたりしない人物だ。