夢の言葉と陽だまりの天使(下)【夢の言葉続編③】
夢の配達人への依頼は、内容と報酬金が割りに合っているとマスターが判断すれば誰でも申し込む事は出来る。
勿論、殺人であったり、明らかなる逆恨みや復讐。悪事になる依頼はマスターが受理しないから、大きな事件に発展する事はまずないのだが…。
私には、アラン様がただ会社を大きくしたいが為にヴァロンにこの依頼をしたとは到底思えなかった。
自分の方がアカリさんに相応しかったと、ヴァロンよりも上だと知らしめたいのか、それとも何か他に理由があるのか…。
交渉に行った時。変装して行ったにも関わらず、アラン様はすでに初めからヴァロンがヴァロンである事に気付いていた言うし…。
一度会った人物を忘れない記憶力に優れたヴァロンが覚えていないのに、アラン様が彼を特定出来たと言う事は…。
きっと以前から何らかの形でヴァロンの事を徹底的に調べ上げていたからに違いない。
恐ろしい情報力。