夢の言葉と陽だまりの天使(下)【夢の言葉続編③】

「依頼内容を達成、契約期間は本日で終了です。
…迎えに来ましたよ、ヴァロン。」

「っ……シュ、ウ。」

まさかと思いつつも、優しい声と、横目で親友の姿を確認したら…。
スッと、動揺していたザワつきが消えていく。


「ヴァロン様を放して下さい。」

「いくら依頼人でも、配達人の扱いには限度があります。
ボク達調査員はそれを見守り、時には罰する事も出来るんですよ?」

冷静になって気付いたら、レナとレイが俺の胸倉を掴んでいるアランの両脇に立って、奴に向かって拳銃を突き付けていた。


「…どうやって侵入した。」

「侵入なんて人聞きが悪いですね。
”依頼人の夢を叶えたら、配達人を回収に上がる場合がある”と契約書に記載されています。
それに、ちゃんと正面から入ってきましたから何も破損はしていません。」

アランの問い掛けに、シュウが本気で笑っていない笑みを浮かべて答えると…。
奴はゆっくり俺の胸倉を放した。
< 129 / 290 >

この作品をシェア

pagetop