夢の言葉と陽だまりの天使(下)【夢の言葉続編③】
「…さて、ここから先は私の仕事です。
ヴァロン、君はもう行きなさい。
待っている人が、いるでしょう?」
解放された俺を見て、シュウが言う。
「そうですよ!ヴァロン様!」
「これ、この辺りで一番近い港から出てる船のチケットです。早く行って下さい!」
レナとレイも船のチケットを渡しながら、呆然としている俺の背中を押す様に微笑んでくれた。
懐かしい雰囲気に、暖かい鼓動が帰ってくる。
……そうだ。
俺には、待っててくれてる人がいる。
その為に、今日まで真っ直ぐ走ってきたんだ。
愛おしい家族を思い浮かべて表情を緩ませる俺を、シュウがフワッと抱き締めて背中をポンポンッと叩く。
「…よく頑張りましたね、ヴァロン。
任務、本当にお疲れ様でした。」
いつもと変わらないその言葉に、強張っていた身体の力が抜けて、目が覚めたようにスッキリした。