夢の言葉と陽だまりの天使(下)【夢の言葉続編③】

「…僕は。アラン様の親戚でも、”マオ”という名前でもありません。」

静かな部屋に、彼の柔らかい声が響いて聴こえる。
その告白に、時が止まった様に私はただマオ様を見つめていた。


「訳あって、暫くアラン様のお仕事を手伝う事になり…。ここへ、来ました。」

私を見つめる真っ直ぐな瞳に、嘘偽りないのだと…。初めて、この方に会った日の夜の気持ちを思い出す。


「今まで、黙っていて…。
本当にすみませんでしたっ…。」

黙って話を聞いている私に、頭を下げる彼。
私はその姿に焦りや怒りを感じるどころか、堪らない愛おしさを…感じる。


「……それから、ありがとう。
あの時、勇気を出して告白してくれたのに…。君は、困った僕を見てとっさに話題を変えてくれた。」

それは、あの夜の事…。
私が自分の気持ちを抑え切れなくなって、マオ様に”好き”と言ってしまった…。
あの時の事…。
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