夢の言葉と陽だまりの天使(下)【夢の言葉続編③】
もしアランがシュウ達に何かしていたら、俺はきっと奴を許せなかった。
…でも。
俺の中でアランに感じた”違和感”が胸をくすぶる。
出来れば、もう会いたくない。
何故だかそう感じる自分が分からなくて、通信機をギュッと握り締めていると…。
「ヴァロン?…どうしたの?」
いつの間にか傍に来ていたアカリが、心配そうな表情で俺を覗き込んでいた。
「難しい顔して、何かあったの?」
通信機を持つ俺の手を両手で包んでくれる、暖かい彼女の温もり。
俺の大切なアカリ。
……帰って、きたんだ。
もう、絶対に離れたりしない。
ずっとアカリの笑顔の傍に居られるんだ。
「…何でもないよ。」
俺はアカリの手を引き寄せてそっと口付けると、通信機を机に置いて彼女を抱き締めた。
程よい柔らかい身体と、アカリから香る匂いが、俺に安らぎをくれると同時に…男の欲を生む。