夢の言葉と陽だまりの天使(下)【夢の言葉続編③】

家族で迎えた初めての朝。
目が覚めるやいなや、ヴァロンはもうヒナタにべったり。
朝ご飯をすませて、私がいつもの様に日記を付けていると、二人はベッドの上で戯れている。

遊びと言ってもまだヒナタはたいした事は何も出来ないけど、ヴァロンは些細な仕草や行動が嬉しいみたいでとっても楽しそうだ。


///…すごい、二人共可愛い笑顔。

その様子に目を奪われて、私は日記を書く手を止めてペンを置くと、机の上に置いてあったカメラを手に二人に近付いてシャッターを切った。


「!ッ……。」

すると、その直後にビクッと反応したヴァロンがとても驚いた表情で私を見る。
良い写真が撮れたと満足していた私は、その視線に気付いてハッと我に返った。
私の目に映るのは、戸惑った様に固まっているヴァロン。


「あ…。や、やだ…!
私、つい…ごめっ……ッ。」

”写真を撮られるのが嫌い”…。
それは夫婦になった当初から、結婚式の時から言われていた事だった。
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