夢の言葉と陽だまりの天使(下)【夢の言葉続編③】
〈回想〉

私が15歳の時、生まれ故郷を災害が襲った。
農業を営んでいた実家はたくさんの影響を受けて凶作…。
両親は失業し、まだ幼い弟と妹がいた私は何とかしなくては…と。
仕送りする為に奉公に出る事を、決めた。


奉公先はいくつもの大きな会社を持つ裕福な主人の豪邸。
初めて来た時はその広さと美しさに震えが止まらなくて、緊張と不安でいっぱいだった。

物覚えが悪くて、鈍臭い私。
自分なりに一生懸命務めていたけど、使用人長や先輩達からは怒られて迷惑をかけてしまう毎日。


帰りたい…。
そう思っても、家族の為に耐えて耐えて…。

なんとか三年目を迎えた日の出来事。

……
………。
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